【資料】「協議会準備会」へのよびかけ

English Page  1998年10月28日



☆ 四分五裂状態のまま主体そのものの喪失の危機にある日本の共産主義者が、可能なところから協働の場をただちに創出しよう。セクト主義を排し、活力ある公開の論争があり、多様な見解をもつ志ある人々が結集する活動スタイルを創り出そう!
1998年6月21日『共産党宣言』150周年記念集会「共同アピール」より




【資料】「協議会準備会」へのよびかけ

     (1)

 わたしたちは先般、『共産党宣言』150周年を記念する共同集会を持ちました。
 この記念集会は、世界恐慌の前触れともいえる世紀末の現状を踏まえて、世界各地で共産主義・社会主義運動を再生させる新たな展望を切り開こうと苦闘している共産主義者・労働者人民と共に、『宣言』のインターナショナリズムの精神に立ち返ってその理念と方法の核心をつかみ、マルクス主義を深め、日本の運動と主体の閉塞状況を打破すべく開かれたものです。
 集会は予想以上の支持と賛同の輪の拡がりの中でスリランカ・フィリピン・在日朝鮮・韓国・沖縄の仲間とともに、当日260名の結集で成功を収め、多くの発起人の「1日のカンパニア集会に終らせるな」の声を、『共同アピール』に具体化しました。(資料『共同アピール』参照)
 その後、わたしたちは、『共同アピール』の三つの構成内容のうち、「日本の共産主義者の可能なところからの協働の場をただちに創る」課題について、この集会を準備してきたコミュニスト自身の責任において具体化する事柄と考え、準備事務局を担ったものの間で相談してまいりました。
 この討議の中で、共産主義者・社会主義者の合流・統一に向けた協議会建設が提案されました。この提案は、記念集会でのアマラシンハ氏やキム・ヨンテキ氏など多くの方よりの統一への呼びかけに応える意味を含めて、こうした方向への集会の事務局を担ったグループ・活動家が率先して活動を開始することを呼びかけたものです。わたしたちはこの提案をめぐって討議を行い、その結果、資本主義の根本よりの変革を求める人々と、四分五裂状態のまま主体の喪失の危機にある日本の共産主義者・社会主義者の新たな広くのびやかな協働・協議・結集・統一の場の創出をめざし、そのための準備会を発足させ、討論を始めることに致しました。
 もとよりその意とするところは、『宣言』記念集会の『共同よびかけ』でも確認されたように、急を告げる現在の情勢を踏まえて、諸大衆運動の多発・激動の先頭に立って、その発展の中で現代資本主義を打倒し、社会主義革命の再生へ主体的に切り拓いていくために他なりません。

     (2)

 わたしたちが準備会を発足させ、討論を始めることは、これまでのこうした経過からだけでなく、この間次第に歴史的加速性を早めている現代資本主義の未曾有の危機、破局の到来を前にした情勢の煮つまり、闘う主体の危機的状況の一層の深刻化への洞察と認識にもとずいたものでもあります。
 「日本発アジア恐慌・世界恐慌」の発生を恐れるブルジョアジーは、(9月初めのロシアの通貨・金融危機が、中南米・ヨーロッパ・アジア・日本をかけめぐって、ついに米ニューヨーク市場を襲った「世界同時株安」の発現ともあいまって)ネオ・リベラリズムの資本攻勢を激化させ、複合不況の長期化・恐慌の接近の一切の負担・一切の犠牲を労働・生産者大衆と生活者大衆に転化する、嵐のような首切り合理化や「反動的改革」の総攻撃に打って出てきています。今秋の国会情勢からいっても、いわゆる「ビリッジバンク」創設によって公的資金(税金)を”泥棒に追銭”のように銀行救済に導入しようとしている金融再生化法の法制化、労働基準法をはじめ労働法制の改悪、日米新ガイドラインを現実化する有事(戦争)立法化の重大な動きを注視する必要があります。
 こうした局面で戦後革新勢力が衰退につぐ衰退、分解につぐ分解を重ね、崩壊と消滅過程にある中で、今参院選で「大躍進」した「唯一の革新野党」の共産党も、その「資本主義の枠内での民主的改革」「ルールなき資本主義のルール化」なる路線で、未曾有の危機にある「資本主義の危機を救え!」という与野党あげての大合唱の中にのみこまれつつあります。最近では共産党は、そうした右へ右への一層の社民化に拍車をかけて、民主党などとの暫定連立政権への参加のためには、「安保破棄」をも凍結するといいい切っています。
 経済的破局の接近を目前にして開始された資本と国家の総攻撃に対して、たとえ部分的、改良的であれ、労働者人民の労働と生活を防衛する大衆的抵抗をともに闘い、組織し、これらの闘いの具体的な大衆的壮挙と結びついた資本主義に代わるオルタナティブなプログラムの提示を媒介に、金融資本とその危機を防衛するために必死の政府を打倒する闘いへ大衆的に反転していく転機を創り出していく主体と政治勢力の形成が緊要の課題となっています。
 わたしたちは、この世紀転換期の大きな歴史的転換の中で試され、ふるわれようとしているのです。
 こうした認識と自覚に立って、この状況を1991年の現代世界史の大転回以降の世界変貌の場において主体的にどう打開するのか。
 嵐の接近の中で強まる暴風雨に吹き飛ばされそうになりながら、この嵐の海に船出する船をつくろうとする作業にも似ている困難はもとよりの共同の作業ですが、時間との競争の中で、わたしたちは今ただちに可能な第一歩として、冒頭に述べたような大方向を模索して、準備討議を始めます。

     (3)

 勿論わたしたちは、準備討議を始めるとしても、今ただちに一つの党になることができるとは考えていません。
 わたしたちのありのままの現状を含めて、日本の左翼戦線、共産主義者・社会主義者の理念的混迷と解体状況、大衆的基盤からの遊離の状況は無残なものです。この克服と再生のために、これまでの共産主義・社会主義の思想・理念・政策・運動・組織のあり方についての根本よりの主体的総括と、腐りきった現代資本主義を根本より変革する新たなプログラム(新たな価値観・社会と文明の原理・それを実現化する展望と行動の指針・筋道)を創造し、これと結びついた共同の闘いの発展を不可避とします。
 これまでもこうした克服と再生のために、わたしたち自身のそれをも含めて、多くの試みがなされながら、残念ながらいまだそのどれもが実を結んではいません。
 この共同の仕事は、現状からして困難なものでしょう。
 しかし、はっきりしていることは、この21世紀へ向けての歴史的課題ともいうべき問題は、わたしたち一人ひとりの狭い経験・小さなグループ・個人の実践の延長線上では越えようもない大きな問題だということです。
 だからこそ、わたしたちはこれまでの失敗や挫折の原因を共に探ることも含めて、互いの力量の小ささ、運動の内部にある意見の差異、潮流の違いの存在することを承知の上で、意見の違いを理由に互いを排除せずに新たな協議・協働・結集・統一に向かう広くのびやかなあり様を共に見つけ出すところから、主体的再生の第一歩を始める必要があると考えます。
 当面、来春を目処に半年の間、グループ・個人の別を問わず準備会議をもち、どの様な協議・協働が実際に可能か、その場の追求と創出に全力を挙げてゆきたいと考えます。
 その際、わたしたちはこの準備討論の過程そのものを開かれたものとして公開し、この動きにただちに参加しないまでも共鳴し注視する労働者・活動家の意見・批判をも汲むことのできる、協働・協議の新しいあり方を創造してゆきたいとも考えています。

 『共産党宣言』150周年の今年、これを記念する集会の中から生まれ、大きく開いたものとして、同志を求めていこうとするこの試みに、記念集会を共にした人も、そうでない人も、資本主義そのものの根本的変革を求める志のある人々の準備段階からの参加を呼びかけるとともに、この志が実を結ぶことができるように大方の方々のご支持と協力を心より要請します。

1998年10月  「協議会」準備会

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